私が始めたのは、月に一度交流会を催すことでした。
そのなかで、「自分たちにとっては、どの仕事も毎日の仕事の一環で通り過ぎてしまうかもしれない。
しかし、お客様にとっては『一生に一度のかけがえのない家』なのだ」と繰り返し語りかけています。
最近は建築工事も分業化が進み、たとえば左官や塗装など工事の一部分だけに携わった職人は、完成した住宅を見る機会がありません。
そこで協力業者には、必ず完成後の建物を見にくるように指示しています。
職人自身が「こんな立派な家になったんだ!」と感動することが必要ですし、その一翼を担っていることへの自覚と責任、そしてプライドが重要だからです。
交流会もはじめは数えるほどの集まりでしたが、回を重ねるに従い大きな輪となり、いつの間にか協力会として自主運営するようになりました。
協力会を通じて、ふだん現場で顔を合わせることがない職人たちが顔を合わせます。
皆がそれぞれ改めて、「俺の仕事をきちんとやらないと、こいつに迷惑がかかるんだな」という思いを認識、チームワークの確認作業をするわけです。
現在、私の会社に協力会として登録している会社(いわゆる一人親方である職人が、法人化している小さな会社を含む)は、一七〇社ほどあります。
その約一七〇社が協力しながら、一軒の家をつくりあげていきます。
従来よくある建設会社の協力会は、工務店の社長がその協力会の権威、象徴、お殿様であり、社員が家老や目付などで、職人が足軽という構図でした。
私たちはそれをすべて廃止して、ピラミッド型の組織図を逆さまにしました。
すなわち、職人たちが一番上。
そうすることにより現場の生の声(情報)が、正確かつ迅速に耳に入るようになりました。
私たちの協力会議は、激しい議論の場です。
今まで、会社にとって都合の悪い話題や耳に痛いことは、社長の私に上がる前に、途中で掘りつぶされがちでした。
協力会議は、そんな組織不全を起こさないよう、下からの活性化を行っています。
くだらない話だと思われるかもしれませんが、会議のなかで職人から、「誰にでも大きい声で挨拶をしよう」「トイレはきれいにしよう」「ゴミは自分で片、づけよう」といった意見が出たりします。
簡単なことのようですが、これがじつは現場では大変難しいことなのです。
一人ひとりの意識が変わることで、現場、ひいては住宅が良くなります。
そのための協力会だと思います。
ところで私は、建築業界の牢え抜きではありません。
建築業界とは関連が深いが、まったく異なる業種である不動産業界から、この世界に横すべりして入りました。
不動産業への入り方にしても、転職です。
あまりいばれた経歴ではありませんが、たくさんの別の世界を見てきたからこそ、気づく点も多いと思っています、その一例として、私が不動産業に携わっていたとき、下請け業者を使って建売住宅を建てたときの話をしてみましょう。
ふつう、建築業者は「お客様からの注文」があってはじめて動き、請負契約を結んで建築を行います。
これに対し、不動産業者は土地の売買が本業であり、その仕事の一環に「新築住宅をあらかじめ建て、その建物ごと土地を売る」建売住宅があるのです。
消費者からすると、マイホーム取得を考えるとき、「マンションか、建売住宅か、注文住宅か」と並べて考える人は多いけれど、「建売業者と注文住宅の業者は、企業の成り立ちが違うのだ」というところまで、深く考える人はいません。
「家を建てる業者」として一般にイメージされる業者は、ハウスメーカー、工務店、フランチャイズ傘下の工務店などであり、不動産業者というあいまいなグレーゾーンが存在していることなど、思いつきもしないと思います。
どうしてこんなややこしいことを話すかというと、私が住む東京は、全国のほかの地域に比べて、建売住宅の占める割合がきわめて高いという特殊事情があるからです。
地価が極端に高いため、注文住宅を建てられるほどの広い用地を確保しょうとすると多額の資金がいります。
ごく一般の消費者が、一次取祥一はじめてのマイホーム)にかけられる費用は、首都圏であれ地方であれ、さほど差はありませんが、その金額で手に入る土地の面積は、首都圏の場合、地方に比べてはるかに狭くなるのです。
その狭い上地でもまとまった数になれば、業者は何十戸、何百一口という大規模分譲を行って大きな利潤を得ることができます。
しかし、都内、こと二十三区内には、もうそんな大きな宅地は残っていません。
そのため、不動産業者は小さく切り分けられた土地の士に、口いっぱいの容積率で家を建て、建売住宅として売り、不動産売買の利益と、住宅建築の利益を、二重に上げることを考えるのです。
実際には、建売住宅を手がける工務店一およびその配下の職人たち)と、注文住宅を手がける工務店・職人では、「家の質(クオリティ)」に対する取り組み方がまったく違います。
いうまでもなく、注文住宅の工務店・職人のほうがはるかに良心的です。
しかし、工務店はもとより、大工や左官などの職人たちが、「注文住宅専門工務店」「建売車門大工」という具合に明確に区分けされているわけではありません。
では何が違うかというと、一番の違いは、大元となる不動産業者が建築業者でないので、建築業の免許資格をもっていない、ということです。
彼らも家を建てる際は、一般のお客様が建てるのと同様、工務店などに依頼し一下請けに使って)、請負契約を結びます。
ただ、そこは土地を売る商売ですから「お金をかけて、住み心地の良い家を」という長い目の勝負など考えず、「見た目が立派で、魅力的、低コスト」といった点に集中して家づくりを発注します。
つまり、不動産業者は「現実にその家に住む人々」が目の前にいない段階で家を注文するわけですから、細かなニーズや要望に合わせる必要もなく、一番安上がりにできるつくりを選ぶわけです。
市場においてライバル業者との競争に勝つには、何より「安く、安く」と考えます。
価格勝負であれば、材料は大量に仕入れ、大量生産のものがもっとも効率よく、そのためにどの家も、よく似た個性のないものになっていきます。
それでも中身をしっかりつくってあり、家の強度に問題なければいいのですが、家づくりの手抜きは、往々にして見えないところ、すなわちもっとも強度にかかわる躯体部分で行われます。
重要部分の手抜きは、長く住んではじめて問題となってあらわれてきます。
その時点で「しまった!!」といっても遅いのです。
建売住宅は、完成した「見た目」で選んでもらうのが身上ですから、とにかく新築の外観、内装を美しく飾ります。
それは、「建売住宅の商法なのだ」と心得て割り引いて考え、冷静に価格と住宅の質を見比べていかねばなりません。
一番の問題は、大切なアフターメンテナンスに問題が生じることです。
建売住宅の場合、建物に責任をもつのは、売買契約上の売主となります。
売主とは不動産業者ですから、お客様は、建物のメンテナンスをその不動産業者に依頼することになります。
このとき、お客様には業者が不動産業であるとか、自社で施工せずに下請け工務店を使っているという認識はありません。
しかしながらその不動産業者は、自社で施工していませんし、建築自体がよくわかりませんから、実際に施工した工務店にメンテナンスの業務を押しつけます。
泉ガーデンレジデンスご提案致します。あらゆる職場の泉ガーデンレジデンスを簡単に請求できます。
泉ガーデンレジデンスの新しい魅力を紹介します。泉ガーデンレジデンスの総合販売サイトです。
泉ガーデンレジデンスが発売されます。個性派にオススメの泉ガーデンレジデンスです。
